半可通素人の漂流

哲学から魚のお話まで。半可通素人が書き散らかすネットの海を漂流するブログ。

自責と品質意識と傾聴をわざマシンで覚えたい

 
 先日友人の企画で、友人と別の課の課長と私とで酒席をもうける機会がありました。それぞれ所属は異なります。
 
 そこで課長から仕事に対する姿勢について有意義なお話を聞いたので、備忘録も兼ねてここに記します。
こういうものは、記憶が新鮮なうちに書き留めないと残りません。
 
  • 問題点を批判して終わるだけではダメ。自分で解決しようと考え発言し、行動する。たとえそれで失敗しても、積み重ねることで段々上に認められ、仕事を任されるようになる。
 
 →他責ではなく自責、ということです。行動が伴わない批判は、「じゃあお前がやれよ」「やってもいないのに言うな」の一言で終了します。自分が直接関与できないことでも、関係者に根回しして上手く運ぶように動くことぐらいはできるはずです。
 信頼というものは一朝一夕で得られるものではありません。有言実行、責任を伴った言動を積み重ねることで初めて築くことができます。
 一見空回りに終わったとしても、上がまともなら何処かで見ていてもらえます。もし見てもらえなければそんな職場はさっさと見切りをつけて他に移りましょう。
 
  • 使われる最終的な商品の中身を知らないやつが開発するな。 
 
 →これは会社の上層部である執行役が言っていたことを課長が教えてくれたものです。私は開発部門にいるので仕事は当然設計開発が中心になります。
 仕事をしていると、とかく目先のことに追われて視野狭窄に陥りがちです。しかし、自分が作ったユニットが何につながり、つながった先がどのような挙動をするか。さらにそれが最終的に消費者の手に渡った時にどのように機能するかを意識して開発することで、担当者レベルから品質に対する意識が向上します。そうすることで初歩のミスやヒューマンエラーの低減にもつながり、レビューの効率、精度も上がるのです。
 平たく言うと、不具合を未然に防ぐための危機意識を植え付ける心構えです。このことは、開発に限らずどんな職種でも言えることではないでしょうか。
 
  • 仕事を進めるうえでは傾聴が重要。相手の考えをまず聞く姿勢を持つ。
 
 →人と関わる以上、どうしても利害が生じたり無理を通さなければいけない場面が生じます。その際にただこちらの要望を押し付けるのではなく、理由を説明し納得してもらったうえでお願いすることが必要です。
 また、会議などの場で誰かの意見が衝突しているように見えても、よく話を聞くと「いいものを作りたい」など根元の想いは同じことが多いと言います。そこまで聞いたうえで、衝突する部分の調整を理由を説明して説得するという進め方をすれば仕事がやりやすくなるとのこと。
 これらは管理職にとって特に重要な意識です。また子供も相手にする場合も同じだそうです。子供はよく理不尽なことを要求するので親が一方的に抑えてしまいがちですが、その要求には何か理由があるのでそれを理解してあげたり、親が言い聞かせる際も理由を言って聞かせるときちんと言うことを聞いてくれるそうです。勉強になります。
 
 その他いろいろ聞きましたが、あとでぼんやりと考えたことは、会社の中で上記のような「わざマシン」をいくつ手に入れられるかがカギになりそうだなと思いました。そしてわざマシンを手に入れるにはショップじゃなくて面と向かって人と話をすることが重要です。お酒の席も手助けしてくれるでしょう。
 このわざマシンはもちろん知識だけでは意味がなく、行動を通して自分で経験しないと本当に手に入れたことにはなりません。しかしゲームと違いわざマシンはお金で買える物ではないし、バグ技で数を99個に増やしたりはできません。いきなりレベル最強のミュウツーを持てるわけでもありません。そもそもわざマシンは戦闘を前提としているので、現実社会に適用するには例えが悪いですね。
 ともあれ現実はチートも存在しないしリセットも効かない難易度の高いゲームです。手探りで地道に攻略するしかありません。
 

 ICHIROYAのブログ様では、サラリーマン生活について以下のように述べられています。

 

“サラリーマン生活は、長いマラソンを走るようなもので、ちょっとした期間だけを早く走れても、それだけのことなのだ。”


僕が19年勤めた会社を辞めた時、後悔した12のこと - ICHIROYAのブログ

 
 この記事すごく勉強になります。私のマラソンはまだまだ続きます。
 
 このような機会を作ってくれた友人に感謝です。
 ・・・しかしお酒は量を飲んで酔えれば良かった以前と違って、美味しいお酒と料理を少量ずつ味わうのが良くなってきました。これが歳をとるということか。でも新たな景色が見えそうなので、思考や発言は歳を経ていても気持ちは幼くあろうと悪あがきをしたいと思った秋の夜です。