半可通素人の漂流

哲学から魚のお話まで。半可通素人が書き散らかすネットの海を漂流するブログ。

人生の満足度を上げるために重要ないくつかのこと(その3)

   前回の記事(人生の満足度を上げるために重要ないくつかのこと(その2) - 半可通素人)で引っ張った、変態への具体的方法について書いていきます。
 

◆自分に質問をする

 変態への願望を明確にするために、自分に質問をします。例えば、「どうして変わりたいのか?」、「今足りないのは何か?」や「この不満足感や危機感は何に対してのものか?」 、さらには「変わるとして、今の自分に出来ることは何か?」といったことなどです。

 質問の立て方に多少のコツと経験が必要ですが、よく分からないという人は以下の本などを参考にしてみてください。この本はブログによく登場してもらっている読書会を主催している友人(ブログはこちら→しんたん! |)から教えてもらいました。 

 

賢人たちからの運命を変える質問

賢人たちからの運命を変える質問

 

 

 これらは自分の立ち位置を明らかにし、現状の課題やこれから向かうべき方向を確認する作業です。目的地もなく船頭もいないまま海に漕ぎ出してしまっては、自ら遭難しに行くようなものです。まずは問題のありかを明らかにし、それを解決するための変態だという動機付けを行いましょう。この「問題のありかを考える」ということは人生の様々な場面で重要になります。何故なら、問題はその存在が認識されなければ決して解決されることが無いからです。当たり前に聞こえますが意識されていないことが多い落とし穴と言えます。

 

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photo by Dom Dada

 

◆変化を細かくする

 課題を洗い出し、向かうべき方向が明らかになったとします。ではそこで変態まっしぐら!となりがちですが、それは少し危ういです。その時見ている目標は、「こう変わりたい」という到達点であり、実はそこに至るまでに幾つかの越えるべき段階があるはずです。目標を掲げるのは良いことですが、そこまでストレートに到達するということはあまりありません。そのまま突き進むと大言壮語の徒手空拳に終わってしまい、「やはり変われなかった」という結果が残るだけになってしまいます。これではせっかくの努力も報われないので、変態するまでの変化を細かく刻むことで実現可能なレベルに落とし込むということをします。千里の道も一歩から。いきなり大股で歩き出してもバランスを崩すだけなので、適切な一歩の踏み出し方を心掛けましょう。

 
 また目標を達成するための道筋がよく分からないという時にも、まずは何か行動して小さな変化を起こしてみると前に進む場合があり、そうした時にも効果を発揮する方法です。
 

◆上手くいっていることはないか?を探す

 変態への道は自分にとって未知のことです。未知のことは結果の予想が立たず、今向かっている方向が正しいかの確証も持てないため、行き先を示してくれる水先案内人がいると安心です。そこで似たような事例で上手くいっていることはないか?を探して参考にするという方法が有効です。参考にするのは自分の過去の経験でも、周囲の他の人でもいいです。何もない状態よりも、上手くいっている事例を当てはめることで少なくとも正しい方向に近いと思われる向きに歩を進めることができます。
 

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photo by Jason A. Samfield

 

◆師匠を持つ

 船頭や水先案内人が必要という話をしていますが、それには見習うべき師匠を持つのが近道です。尊敬できる人、自分の足らない部分を持っているなという人を師匠とすることで、経験に基づいたアドバイスをもらいます。この時、自分より2~3段上の人にアドバイスをもらうのが良いというのは羅王様(羅王様から脳髄に北斗剛掌波をくらった体験記 - 半可通素人ご参照/羅王様のブログ→ラオウを目指す羅王のブログ | 退かぬ、媚びぬ、省みぬ!我が人生に一片の悔いなし!!!)の教えです。それくらいのレベルの人なら、アドバイスをする相手が今の実力で変態できるかどうかを分かっているからというのがその理由です。仮に適切な人が見つからなくても、何かしら他者に助言を求めるというのは客観的な視点をもらえる機会になるので留意しておくべきポイントです。
 

◆環境を変える

 過去記事(教育は人の問題 ≦ 環境の問題だった?(その5) - 半可通素人)でも書いた通り、人の問題と思っていたことも、実は環境の問題であることが多いです。したがって変化を求めるのであれば環境を変えるというのも効き目があります。例えば英語を話せるようになりたければ、外国人の集まるスポーツバーに行くとか、外国人の友達を作るとか、英会話にひとまず申し込んでしまうなど「英語を話さざるをえない環境」に自分を置きます。環境の力というのも見逃せないもので、場を整えるだけで変化にプラスの方向になるというのはよくあることです。ものは試し、くらいの気持ちで違う環境に飛び込んでみましょう。
 

◆習慣化をする

 前回の記事にも書いたように、習慣の力は強いです。よって変化を起こしたらそれを習慣化することによって定着させる取り組みが必要です。逆に習慣化しないと、慣性の法則が働いてまた元の状態に戻ってしまうということがよく起こります。それもまた習慣の力です。変化を起こすことと同様に、習慣化するためにエネルギーを使うことも重要です。
 

◆自分を信じる

 最後はこれも当たり前ですが忘れられがちな、最も重要かもしれないこと。「変わりたい」、「こういうことをしてみたい」という時、特に日本人の場合他人はしばしば抵抗勢力になります。「やめておいた方がいい」、「今さらそんなことをするのか」などといった、「あなたのためだから発言」は一見するとこちらを気遣っているかのように聞こえますが、実は変化に抵抗する人間の心理がそのまま現れた発言です。同じ気遣いなら、「応援する」、「あなたならきっとできる」というような言葉が欲しいところですが、そうした発言はほとんど聞かれません。日本人お得意の同調圧力という心理装置がここで大いに幅を利かせてくるのです。
 
 重要なのは自分が思ったからやるのであって、最終的に他人は関係ありません。何かを始めたり、やり直すことにだいたい遅いということは無いはずです。月並みですが、自信とは自分を信じると書きます。自分が信じなくて誰があなたを信じてくれるのでしょうか?
 あなたはきっとできます。
 

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photo by Kapungo

 

 

 以上、「変態」を切り口に、自己の変態に対する欲求を意識的に叶えることによって自分に対する満足度を上げようという話をしました。

 私が学生時代にバイトをしていた鮨屋の厨房に、こんな言葉が掲げてあります。

 

「能力に差は無い  意志に差が有る」

 

これはまさにその通りで、意志の力でどれだけ自分の能力を使えるかに差が出てくると思います。折に触れて思い出したい言葉です。
 
 …風が吹けば途端に折れてしまう貧弱な意志の持ち主が言うのも何ですが。