眠たくて、春
いつもと同じ風景だと思っても、実は細かな移ろいは着実に季節の歩みを進めています。
毎日同じだと思っていても、ふと五感を働かせてみれば小さな発見が沢山あることに気付くという話。
今朝は雨上がりだったので、家を出てみると空気がしっとりしていて心なしか重たい感じがしました。そしていつもより何だか静かな感じ。耳をすませてみると鳥のさえずりがあちらこちらから聞こえてきて、しっとりした空気感の中に澄んだ存在感を主張しています。そして時々通る車の音が1日の始まりを告げます。
駅までの道では、次の作物に備えてきれいに耕された畑の土の匂いがし、住宅地を通るとどこかの家の朝ご飯の匂いがしました。それらも雨上がりの独特の空気感に包まれて朝を彩っています。
ふと目をやると所々に植えられた梅が綺麗に咲いており、単調だった冬の色の中に鮮やかなピンクや白を散りばめています。そして雨が降ったためか木の下には散った花びらがたくさん落ちていて、それもまた季節の移ろいを感じさせます。
駅に近付くと人の足音やホームのアナウンスなど人工的な音が増え、景色もビルやお店などが多くなります。人はこうして変わらない日常に組み込まれていくのでしょうか。
ホームに貼ってあるJRのポスターは冬のままだったりして、人間だけが変化に取り残されているような気になります。
日本にいて感じられる四季が好きです。春はもう来ているので、時にはいつもの景色の中にそうした四季を見つけてみるのも一興です。
…しかし眠くて朝が辛いのは年中変わらないものです。鳥のさえずりとか畑の匂いとか割と田舎に住んでいるのがバレてしまいました。都会は苦手です。