半可通素人の漂流

哲学から魚のお話まで。半可通素人が書き散らかすネットの海を漂流するブログ。

前髪しかない神様がいるんだって

 
   面白い話を聞きました。
 
   「チャンスの神様は前髪しかない。」というものです。
カイロスの風貌の特徴として、頭髪が挙げられる。後代での彼の彫像は、前髪は長いが後頭部が禿げた美少年として表されており、「チャンスの神は前髪しかない」とは「好機はすぐに捉えなければ後から捉えることは出来ない」という意味だが、この諺はこの神に由来するものであると思われる。
 
   カイロス - Wikipediaにある通り、チャンスはやって来たと思ってもすぐに通り過ぎてしまい、後ろを掴もうと思っても髪が無いので掴むことが出来ないということです。これはなかなか的確な例えですね。
   前髪しかないのに加えて裸なので尚更後ろを掴もうと思っても出来ない、という派生もあるようです。
 

   そこそこ有名な話らしいので聞いたことがある方も多いかもしれませんが、私は初耳でした。

   これまでも、様々なチャンスがあったにも関わらず何か理由を見つけて躊躇してしまい、後から悔やむという経験を沢山してきました。躊躇する理由は振り返るとほとんど大したことのない理由ばかり。機会損失という言葉がありますが、計上したらどれほどの損失になるのでしょうか。恐ろしくてあまり考えたくありません。
 
   まずはやってみる。その先のことは後から考えれば良い。という気持ちの方が、自ずからチャンスを掴む回数も増えるし、たとえ失敗したとしても経験としてそれからの糧になります。「後悔先に立たず」と通底する考えですが、思っていてもなかなか出来ないことです。何事もやってみないことには何も分かりません。「倒れるなら前のめり」という言葉も、姿勢として近いので紹介しておきます。
 
   なおローマ神話では、チャンスは運命の女神フォルトゥナのことを指します。女神なのに前髪しかないのは何だか気の毒ですが。
チャンスに前髪はあるが、後頭部に髪の毛はない。もし前髪をつかんだら、彼女(チャンス)をつかまえることができるが、もし逃がしてしまったら、ユーピテルですら二度と彼女をつかまえることはできない
   Opportunity - Wikiquoteより和訳
 
   このようにチャンスは前からやってきて通り過ぎて行ってしまいますが、哲学はいつも後からやってきます(森の哲学者は夕暮れ時に飛び立つ、ということ - 半可通素人ご参照)。哲学が好きな私は物事が過ぎ去ってからそれについて考える傾向がありますが、それではチャンスを逃してしまうので心持ちを切り替えないといけません。
 
   しかし前髪しかない神様とは、想像すると失礼ですが笑ってしまいます。前髪様もとい前神様がやって来たら迷わず掴まえることをこれから心掛けたいと思います。
 
   日韓W杯で衝撃的な大五郎カットを披露したロナウドもチャンスの神様を掴みたかったのかも⁉︎
 
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   …そんなことはないか。