半可通素人の漂流

哲学から魚のお話まで。半可通素人が書き散らかすネットの海を漂流するブログ。

曇りなき 瞳で見つめて いたいけど

   この季節ならではといえば、そんな話。

 
   視力が落ちて眼鏡をかけているという人は多いと思います。この眼鏡、人の生活の身近にあり長い歴史がありながらも未だ解決されない問題があります。
   それは、「眼鏡の曇り問題」
 
   特にこの季節は花粉症でマスクをしている人も多く、マスクをしていると大体鼻の隙間から息が漏れて眼鏡が曇ります。また風邪が流行ると予防のためにマスクをする人もいるでしょう。加えて外の気温が低い時に暖かい室内に入ると、マスクは関係なくこれまた途端に眼鏡が曇ります。不快指数は急上昇。
   眼鏡の曇りは視界を遮り何のために眼鏡をしているか分からなくなりますし、曇った時の見た目も大変にイマイチです。
 
   Googleグラスに代表されるような先端のデバイスに関しても、このアナログな問題はついてまわります。目の前に情報が表示される利便性も、画面が曇っていては発揮されません。
 

   技術は人の欲求に応える形で発展を遂げてきました。眼鏡についても、花粉カットやブルーライトカットなど近年でも技術の進歩によって便利になってきています。しかしながら、これだけ身近で歴史も長い眼鏡の曇り問題が未だに解決されないのはいただけないです。

   そこで眼鏡の曇りに対する技術的な解決案を幾つか考えました。
 

■ワイパーを付ける

   車の窓ガラスに倣った方法です。曇っても水滴が付いても、ワイパーで拭き取ることでいつでも視界はクリア。雨の日は道行く人の眼鏡にシャカシャカ動くワイパーが並び、ちょっと面白い光景になりそうです。
   しかしこの方法には課題があります。まずは電源をどうするか。フレームの中に電池を仕込めばひとまずワイパーを駆動する電源は確保できますが、電池交換の手間が発生します。最近出てきた無線給電の技術を使えばあるいは解決されるかもしれません。Googleグラスの電源ってどうなってるんだろうか。
   そしてワイパーの小型化という課題もありますが、そこは日本人の得意分野といえるので、超小型モーターで動くワイパーなどすぐに開発されるでしょう。
   上記の課題よりもまず先に気付かないとならないのは、眼鏡のレンズは裏表両面あるということです。つまりワイパーも裏表に必要であり、左右のレンズを合わせると都合4つのワイパーが必要になります。目の前で4つもワイパーが動いていたら邪魔で仕方がないでしょう。
   ということでこの案は現実性にイマイチ欠けます。
 

■ヒーターを付ける

   こちらも車の窓ガラスに倣った方法です。窓ガラスが曇ればヒーターのスイッチを入れますが、これを眼鏡に応用します。曇りが消えるのに少し時間が掛かりますが、ワイパーのような視界を邪魔する構造も無くクリアな視界が期待できそうです。
   この方法も電源が課題になります。ヒーターとなると電力を沢山必要とするため、それに対応できる電源の確保が技術的な障壁になりそうです。
   そして熱を利用するので事故の可能性が生じます。熱を制御できなくなり、眼鏡全体が熱くなってしまうとツルに沿って目の横から耳にかけて火傷をする人が出てきてしまいます。これは見た目にも影響しますし目の保護という観点からも由々しき問題です。熱暴走しないための品質管理と製造者責任をどこまで負うかという部分を考える必要があります。
 

■表面加工で水滴を付かなくする

   眼鏡の曇りとはレンズに水滴が付くことなので、表面加工で水滴より微細な凹凸をつけることにより水滴の付着を防ぎます。構造的に曇りにくくするという発想ですが、凹凸をつけることによってそもそもちゃんと見えるのかどうか疑問が残るため、あまりセンスの良い方法とは言えなさそうです。
 

■曇り止め物質を混ぜる

   大学時代に研究で川に潜っていた私は、水中ゴーグルにヨモギをすり潰した汁をつけると曇り止めになることを知って非常に重宝しました。このように曇り止め効果のある物質をレンズに塗るか、レンズを作る段階で原料に混ぜてしまってレンズそのものに曇り止め効果を付加するという方法もありそうです。
   曇り止めを毎回塗るのが手間なのでその手間を如何に省くかと、レンズに混ぜて曇り止めになるのかといった課題があるのでこれは想像の域を出ません。
 
 
   以上思いつくまま挙げてみました。曇り止めのため鼻部分にパッドのあるマスクも売られていますが、それでは根本解決にはなりません。技術の進歩に終わりはないので、眼鏡メーカーの奮闘に期待していつの日か人類が曇り問題から解放される日がくることを夢見ています。