半可通素人の漂流

哲学から魚のお話まで。半可通素人が書き散らかすネットの海を漂流するブログ。

攻殻機動隊に学ぶ現実社会のサバイバル術

   創作は現実の鏡像である。
   ここのところ連続して取り上げている攻殻機動隊ですが、この作品を通じて見えてくるものがあります。
 

◆この世の現実をどう見るか

   以前、本ブログで以下の記事を書きました。
 

hnktusrot.hatenablog.jp

 

   少し前からこの記事がブログの注目記事に上がってきています。ブログを読んでくださっている皆さんが今の世相に少なからず違和感を感じていることのあらわれかもしれません。多くの人にとっては疑わしい、あるいは直視したくない現実ですが、ここで触れているのが私達が生きているこの世界には「灰色」が存在するという見方です(詳しくは記事をご参照ください)。考え方は人それぞれなので解釈は自由ですが、灰色が己の利益のために私達を巧みに統制、誘導していると考えた方が辻褄が合う現実があります。これはメディアが流す情報を鵜呑みにせず、事物の過程や背景を考えないとなかなか見えてこない構造です。具体例を挙げるときりがないのでここでは割愛します。

 

◆現実の教科書としての攻殻機動隊

   毎日の仕事や暮らしに追われがちな私達は、世の中に目を向ける余裕を持てなくなっています(そうさせられているという解釈もできます)。しかし、世間に起こる出来事をただ受け身に迎えているという姿勢は危ういです。それはいわば囲いの中で放牧された羊と同じで、景気などの世の動きに翻弄され、格差構造に刈り取られる恐怖に怯え、一見自由なようで自由を制限された存在です。そんなのは嫌だ!と多くの人が考えるはずですが、ではどうすれば良いのでしょうか。
 
   防衛の基本の1つに、相手の出方を知ることがあります。そこで出てくるのがこの攻殻機動隊という作品です。ここには灰色がどのような手段を使って私達を統制、誘導しているかを知るためのストーリーが織り込まれています。主人公の草薙素子が属する公安9課は誘導、二重スパイ、ブラフ、陽動、情報統制、世論操作、偽装など実に様々な仕掛けに翻弄されながら犯罪を解決し、その背後で進められるより大きな企てを阻止していきます。
 
   特にSTAND ALONE COMPLEXシリーズ第2段の2nd GIGでは、内閣情報庁の合田という人物が「プロデュース」しようとする社会変革への暗躍とそれを防ごうとする公安9課の闘いが描かれます。
   この合田が社会をプロデュースする手法、翻弄される民衆などを観ることによって、現実の私達にもどのような操作が行われそれによって社会がどう動いていくかを知ることができます。
 
   詳しくは本作に譲ります。たかが創作と侮ることなかれ。「事実は小説よりも奇なり」です。まだ観たことが無い方は一度ご覧になってみて、単純に作品を楽しむのに加えて現実社会のサバイバル術として参考にしてみてはいかがでしょうか。(ちなみに灰色がそこまで世の中に影響を及ぼしているならこの作品にも何かしらあるのでは?という疑問が湧きますが、それは当然イエスと考えるべきでしょう。灰色は時に種明かしをします。)