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半可通素人

哲学から魚のお話まで。半可通素人が書き散らかすブログ。

行き過ぎた効率化はシステムへの依存を生み「余裕」と「らしさ」を失わせる(その3)

   前回からの続きです。
 

   効率化も度を過ぎるとそれ自体が目的化していきます(お金がいい例)。そうすると元来ものごとに備わっていた、そして人間にも必要な「あそび」すなわち「余裕」が無くなります。そうした状態は単に機械的、無機質に数字や結果ばかりを追い求めることになり、肝心要の「人間らしさ」が失われ置き去りにされていきます。という話をしてきました。

 
 

◆効率化で失われている「余裕」と「らしさ」のイメージ

   ここで話を具体化するために、少しイメージを使った話をしたいと思います。
 
   効率化においては分業が進み、作業の専門性が高まると書きました。これをアルファベットで表してI型とします。何か1つの専門に特化していますが、それ以外の幅がなくいわゆる「専門バカ」の状態です。これはその専門性を失ったり、横からコツンと衝撃を加えればたちまちポキンと折れてしまいますので全く余裕がありません。
 
   そこで、専門外のこともある程度はカバーしようと手を広げます。そうすると周辺領域に範囲が広がりますが、専門性は高くないのでどうしても広く浅くなりT型となります。これも頭でっかちのバランスを欠いた状態ですので、グラグラと危うい感じがします。
 
   これを更に強化していくと次第に周辺領域も幅と専門性が深まっていき、V型になっていきます。ここまでくると特化した専門性と周辺の幅もある程度併せ持った状態となり、バランスが良いと言えます。そして専門バカではなく、「あそび」や「余裕」を内包できるスペースも生まれます。この状態が「人間らしさ」や「ものごとらしさ」を持っている、と言えると思うのですがいかがでしょうか。
 
   そして周辺領域もより強化して専門並みに深みを増していくと、幅も深さも持ったU型へと発展します。少し横から小突かれようが、倒れることなく起き上がり小法師のようにまた立ち上がるしなやかさを兼ね備えた盤石の状態。さすがにここまで到達するのは至難の技でしょうが、人もものごとも目指す姿はここにあるのではと思えます。
 
   この「I型→T型→V型→U型」のイメージは行き過ぎた効率化の弊害を端的に例えてくれます。また仕事の能力や人間の幅といったものについて、何を目指すべきか?を考える時にも役に立つ喩え話でしょう。
   「V型人間を目指せ!」とはよく言われますが、もう少し欲張ってU型人間まで視野に入れたいものですあわよくば。
 
 
   ということで「効率化」という1つの宗教とも呼べる現代の象徴と、それの弊害についてつらつら書いてみました。
   効率化のためと言って都市に人を集めた結果、満員電車という非人道的な環境の中に押し込まれるのも大変な弊害です。資本、資源の集中に伴う効率向上によって経済効果を生み出していますが、この満員電車で人々が募らせるイライラによる損失を無視していることに非常な矛盾を感じます。
 
 
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