半可通素人の漂流

哲学から魚のお話まで。半可通素人が書き散らかすネットの海を漂流するブログ。

人は全てのものが見えている訳ではないし不幸せも人生には必要

   心の運転の仕方を知ると、知らずに自分を縛っていたものから楽になれます。そんな本のご紹介。

 

ブッタとシッタカブッタ (心の運転マニュアル本)

ブッタとシッタカブッタ (心の運転マニュアル本)

 

   書名からは仏教の本かな?という印象を受けますが、仏教そのものの話はほとんどなく、その根底にある哲学のような思想を取り上げています。本の内容はシッタカブッタという一匹のブタが自分の心に恋に思い悩み、それをブッタ様がやんわりと導いてくれるようなタッチで「心の在り方」をやさしく説いてくれるという展開で書かれています。

   4コママンガを中心に時折絵付きの文章を挟んで構成されており、気軽に読み進めることができます。

 

   本書でシッタカブッタは様々な悩みに直面します。始めのうちはそうした悩みに振り回され、消耗して不満を撒き散らすばかりです。しかし経験とブッタ様やアリ君など他者の導きによって次第に自分の心の動きに気が付き始め、目覚めていきます。読者は主人公のシッタカブッタの成長を追体験することで、自身の心を振り返ることができるようになっており、単純なようで深く考えさせられる内容を持っています。

 

   この本は私が大学受験生だった頃に予備校の講師が紹介してくれたものです。今思うと、受験の時期にこのような本を教えてくれたのは多感な時期に心の在り方について分かりやすく伝えたかったのだと思います。そういった意味でも小難しい自己啓発本より余程実用的で中学生くらいからでも読めますし、後から読み返してもその時々によって感じることが違ってくるので手元に置いておきたい一冊でもあります。

 

   読んでいて幾つか根源的な問題提起があるのですが、中でも印象に残った2つを紹介します。

 

 

  ◇ 私達がものを見る時、それは心で見ている

 

 

   私達が何かを「見る」という時、往々にして対象を正しく捉えていると思いがちです。しかし実際は眼を通して入ってきた像を脳が認識し、「自分が見たいもの」だけを心が切り取って見ているに過ぎません。例えばパソコンに向かっている時、眼にはパソコンの画面と周りの物やその奥の光景が見えています。しかし意識はパソコンの画面に向かっているため、頭の中では画面だけが知覚されその他は除かれています。このことは聴覚にも起こっており、カクテルパーティー効果と言えば納得する人も多いと思います。

   このようにしてものを見ているので、見ているようで実は見えていないものが沢山ある、ということです。(逆に見て見ぬ振りをしていることも私達には沢山ありますが。)このことを知れば自ずと謙虚になるし、ものごとをより多面的な視点で見ることができるので覚えておきたいことです。

 

 

  不幸せの谷を埋めようとすると幸せの山もなくなり、何もない平地になってしまう

 

 

   幸せを人生における山、不幸せを谷と例えると、人は当然不幸せが嫌なので、せっせとそれを埋めようと思います。しかし谷を埋めようとすると山の土を削って使うことになるので、谷がすっかり埋まった後は何も無い平地だけが残り、幸せも無くなってしまいます。この例えは人生山あり谷ありという言葉を分かりやすく再認識させてくれます。どうしても不幸せは避けたくなりますが、幸と不幸は表裏一体であり切り離して良い方だけ取るということはできません。でも不幸せは幸せのための布石だと考えれば、苦境の中にあっても気持ちが積極的な方向に向きやすくなります。苦しい時はそんなことを思い出すといいかもしれません。

 

   心の運転マニュアル本とあるように、自分の心との向き合い方のヒントが書かれた本書を読むことで、あるがままを受け止め少し楽に生きるヒントを知ることができます。

   このブッタとシッタカブッタはシリーズになっているので、興味がある方は他の本も読んでみてはいかがでしょうか。

心にズドーンと響く「ブッタとシッタカブッタ」のメッセージ - NAVER まとめ

 

 

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photo by pachenha

ブタってかわいいよね。

 

 

 

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