半可通素人の漂流

哲学から魚のお話まで。半可通素人が書き散らかすネットの海を漂流するブログ。

街場の就職活動論 ‐ 武器が無いなら作ればいい(その3)

 

街場の就職活動論 ‐ 武器が無いなら作ればいい(その2) - 半可通素人

の続きです。

 

◆ありふれた経験も「自分ならではの話」にできる

 

 就職活動では、とかく「何か他人にはない特別なことでアピールしないと! 」という心理が働きます。しかし実際には、そんな優れて特別なことなど大抵の場合持ち合わせていません。自分には何もないと今更になって自覚しても、材料が見つからない以上は前に進みません。

 ここで前項で述べた、自己分析の話題が活きてきます。

 例に挙げた、ごくありふれた「魚が好き」という話も、自身の経験やその時思ったことを足していくことで「自分ならではの話」にすることができます。それだけ?と思われるかもしれませんが、それだけで良いのです。なぜならその場その時の経験や思考は、その人のオリジナルだからです。

 

 この記事の副題に「武器が無いなら作ればいい」とつけましたが、こうした「自分の話したいこと+その根拠としての経験や思考」が、就職活動という冒険を攻略していく上での武器となるのです。そしてこれはいつでも作ることが出来るので、「就職活動で経験したこと」すらも経験した次の瞬間から自分の武器として使える材料に化けます。

 一見すると小さなことですが、そういう話こそが地に足の着いた印象を与えることにもなり、説得力を増すスパイスとなります。

 

 

 

 ここまでの話を一旦まとめると、「自己分析=武器を作る作業」ということです。冒険の初めの武器が心もとないのは初期設定なので仕方がありません。しかし自身の経験を掘り起こして経験値を稼ぎ、武器をレベルアップさせていくことができます。むしろ私のような凡人はそうでもしないと闘えません。

 しかしこの武器は確実に威力を発揮します。私はこれまで述べたように魚が好きで、大学は水産学部に進み、修士まで在学しました。ですが現在は、自動車の部品関連企業で設計開発として職を得ています。世間一般からすると全く繋がりのない経歴で、相当の変わり者のように思えますが、専門に勉強してきた工学部卒がほとんどの同期達と同じ土俵に立てたという実績が、この武器の強さを物語ります。

 学業と繋がりのない企業に就職できたのも、この自己分析によってしっかりと武器を作り、自分の考えを相手に伝えることができたからこそと自負しています。

 

◆嘘はバレる

 ただしここで、気を付けなければならないことが一つあります。

 それは、「嘘をついてはいけない」ということです。

 これまで述べてきた自己分析の方法を用いると、他人の経験談やネット等の情報、あるいは想像によって架空の話を作ることができます。いかにも聞こえの良い、注目されるような内容を盛ってしまいがちです。

 しかし、そのようにして作り上げた虚構は採用する側にはいとも簡単に見破られてしまいます。

 

 私が就職活動をした際に経験したことですが、とある企業の最終面接でのことです。その面接は役員級の方々7〜8人に対して私1人の形式で、代わる代わる質問をされそれに答えていました。

 今思えば大変失礼な話ですが、その企業はいわば記念受験のようなつもりで受けており、選考を通過しても辞退しようと考えていました。

 そんな姿勢(もちろん口に出したり態度に出ないよう注意をしていました)で臨んでいたところにある面接官の方が一言。

「ところで君は何だかどうしてもうちに来たい、って感じじゃないねえ。」

急に核心を突かれて、非常にドキリとしました。「正直に申し上げると、内定をいただいてから考えようと思っています。」と答えるのが精一杯でしたが、内心はドキドキの冷や汗タラタラです。この経験は忘れられないものとなりました。

(その後、ありがたいことにこの企業からは内定をいただきました。)

 

 初対面の極めて短い時間で、あっさりと内心を見極められてしまったのです。採用で出会う方々は人を見るプロだと強く実感しました。

 

 このことから分かる通り、嘘はすぐにバレます。偽りの武器では闘いになりません。これも肝に銘じておくべきことです。

 

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photo by niznoz

 

 

・・・まだまだ続きます。

 

 


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