半可通素人の漂流

哲学から魚のお話まで。半可通素人が書き散らかすネットの海を漂流するブログ。

よそ者、ばか者、わか者であれ

   前回も書いたように、最近はリクルーターとして就職活動中の学生に向けたイベントに参加する機会があるのですが、その中で印象に残った話があったのでここに紹介します。


   私は社員として現場の声や自分の就職活動を含めた経験などを話しに行くのですが、だいたいイベントには幹部クラスの社員も行って学生の前で講演をするので、その話を学生の後ろで聞くことになります。幹部社員の話は自分にとっても経験がないことなどが多く、勉強になります。
   その中で、先週末に聞いた講演で学生に向けたメッセージとして、「よそ者」「ばか者」「わか者」になって欲しいという話がありました。
 

◆よそ者

   「よそ者」とは、自分のことなんだけど他人のように冷静に、ということです。人は自分のこととなると知らず知らずの内に視野狭窄に陥り、客観的なものの見方ができなくなります。このブログでも自身の中に第三者の視点を持つことの大事さを書いています(「自分2号」のすすめ - 半可通素人ご参照)。自分を客観視することは自己をよく観察することになり、現在の立ち位置とこれから進む方向についてより多くのことが考えられることに繋がります。
 

◆ばか者

   「ばか者」とは、常識や既存の枠に囚われない発想を、ということです。革新的な出来事というのは得てして常識の枠外からもたらされるものです。大人になるといつの間に常識に縛られ、妥協を覚えて小さくまとまるようになってしまいます。かの有名なスティーブ・ジョブズも “Stay foolish.” と言っていることから、その重要さは何をか言わんや、です。日本においては、子供の頃は常識から外れたばかは敬遠され大人の圧力で「良い子」に矯正される力が働きますが、いざ大人になると常識外のばかが重宝されるという、矛盾した構造になっています。これは社会と教育が取り組むべき問題点ですが、現状は見て見ぬ振りをされているように思います。
 

◆わか者

   最後の「わか者」とは文字通り新鮮な発想で、ということです。若さは健康と同じで、意識されないですが無くした時に大事さに気が付く類のものです。上記のばか者に通じる部分が多くありますが、若い頃の柔軟さと挑戦意欲はその時期の特権とも言うべきものがあります。肉体的には不可能ですが、精神的に若くあり続けるということは分かっているけどなかなかできない、ということで意識と実践を心掛けたいものです。大人であることに胡座をかいた格好悪い大人にはなりたくない。
 
 
   こうしたシンプルにまとめられたメッセージには伝える力があります。私も社会人になってそれなりに経ちますが、自分のこととしても真摯に受け止めようと思いました。