半可通素人の漂流

哲学から魚のお話まで。半可通素人が書き散らかすネットの海を漂流するブログ。

街場の就職活動論 ‐ 武器が無いなら作ればいい(その1)

 ◆概要

  • 「本当に自分に合った仕事」などそうそうないと知ること
  • 「自己分析」なんて大したことではない
  • 「なぜ?」をとことん繰り返すのがポイント
  • ありふれた経験も「自分ならではの話」にできる
  • 嘘はバレる
  • 「新卒一括採用」という制度の功罪
  • 様々な企業の話を聞けるのは今しかない
  • まずは職に就くこと。話はそれから
  • 就職活動は手段であって目的ではない
  • できることを広げていき、やりたいことに手を出していく
  • 働くとは傍(はた)を楽(らく)にすること

 

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photo by Tax Credits

 

 年が明けて、また就職活動が話題になる時期がやってきました。と言っても今年からは経団連の「採用選考に関する指針」とやらで企業の広報活動開始が3/1以降、選考活動開始が8/1以降とスケジュールが大幅に後ろ倒しになっています(従来は広報が12/1以降、選考が4/1以降開始)。にも関わらず、内定は10/1以降と従来と変わらず、就職活動は短期戦を余儀無くされます。

 経団連すなわち大企業の都合で学生が振り回されるのはなんとも不健全なものですが、従来の就職活動が学業に支障をきたすといった指摘もあったため、議論が分かれるところです。

 

 以前、以下の過去記事で恋愛における振る舞い方を書きました。就職活動は恋愛に例えられることもあり、似ている要素があるので今回は就職活動について私の経験から思うところを書き連ねてみることにします。 

 

 ◆「本当に自分にあった仕事」などそうそうないと知ること

 就職=職に就くことであり、巷では「自分のやりたいことを仕事にしよう」、「自分に合った仕事を見つけよう」などとよく謳われています。

 しかし将来を見据えて目的意識的に生きてきた、あるいは親が教育熱心だった一部の人を除き、高校までは受験突破のためのテクニックを叩き込まれ、大学でいざ自由が与えられて時間と余暇を謳歌してきた大半の学生にとって、急に「やりたいこと」、「自分に合った仕事」と言われてもピンときません(一般化のために高卒で就職する人、自営業を継ぐ人などは例外とします)。

 あげくそのイメージに染められて自分にはやりたいことがないと落ち込んだり、もっと自分に合った仕事があるはずと行く先に迷う可哀想な子羊たちが量産されます。

 そうした子羊たちは、職に就いてもこれは自分に合っていないと早々に結論付けて辞めてしまったり、羊飼いたちにいいようにこき使われて搾取されるだけの結果に陥ります。これでは自ら不幸を選択しているだけというものです。

(このような構造を見ると、就職以前に教育制度そのものを根本から見直す必要があることは明らかです。しかしここでは直近の就職活動について書くため、教育の問題は横に置いて話を進めます。)

 

 就職活動に臨むにあたって、まずは、この「自分に合った仕事を見つけないといけない」という幻想を捨てましょう。もちろん自分に合った仕事というのはどこかにあります。それに就ければ万々歳、しめたものです。しかし、どんな仕事にも嫌な部分、面倒くさいこと、辛いことなど山のようにあります。お金を稼ぐというのは何かと大変なことです。

 しかもそれまで仕事に就いたことのない学生が職を探す訳ですから、その内容について多くを知らないのが現実です。そう考えると、自分に合った仕事に就ければ幸運、多少不本意でも初めはまあそんなものだと思った方が精神的にも楽というものです。

 

◆「自己分析」なんて大したことではない

 就職活動というと必ず出てくるのが、自己分析という言葉です。就職活動を開始して間もない頃に、自分の趣味嗜好や過去の経験を振り返って書き出したりしてみましょうというアレです。こう言われても、「これって何のためにやるの?」となる人もいるのではないでしょうか。ここでいきなりつまずいてしまうと、後の活動に影響を及ぼすことになるのでこの疑問は大きなハテナとなるのですが、明確にこう、と答えている本などに出会ったことがありません。これは隠れた問題ではないでしょうか?

 

 しかし実は簡単なことで、自己分析なんて大袈裟な言葉にするから、分析した結果何か確かな答えでも導き出さなきゃと思ってしまい、要領を得ないのです。

 簡単に言うと、自己分析とは「自分の話に根拠と納得感を持たせるための理由探し」に過ぎません。分析することが目的ではなく、就職活動をする上での武器探しの手段の一つです。では具体的にどのようにやるのか?ここで出てくるのが自分の趣味嗜好や経験の振り返りです。

 

 例えば、「私は魚が好きです」と初対面の人に言った時に、「何で?」とか「どこが?」となるでしょう。そしてそうした疑問に対して、「食べると美味しいから」とか「泳いでいる姿が楽しいから」などと理由を答えることになります。この理由の部分がその人の嗜好や経験によって異なってくるため、理由がすっぽり抜けたままただ「魚が好きです」と言われても、聞いた人は「?」が頭から消えず、納得してもらえません。

 

 同じことが就職活動の多くの場面でも起こります。「あなたが仕事で実現したいことは何ですか?」とか「なぜ当社を志望したのですか?」などはどこの企業に行っても聞かれることです。

 この質問に対して、「私は〜という理由があって技術者として製品開発に携わりたい」、「私は〜と考え御社を志望しました」などと答えられない人はまず選考を通ることは難しいです。

 これら就職活動において自分が話すことについて、その根拠と納得感を持たせるために自身の嗜好や経験の棚卸しを行い、肉付けをしていく作業が自己分析です。

 

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長くなるので続きは後日書きます。

 


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あるいはホントに不細工なのさ!