街場の脱非モテ論 ‐ スカイツリーの展望台から眺めを見てやろう(2/2)
街場の脱非モテ論 ‐ スカイツリーの展望台から眺めを見てやろう(1/2) - 半可通素人
の続きです。
◆今までモテなかったことを武器にする
今まで非モテだったからといって、悲観する必要も自分を卑下する必要もありません。物事には常に裏表、陰と陽があります。ここで考え方を変えて、むしろモテなかった経験を武器にする方向を目指しましょう。
不遇にもこれまでモテなかった人は、非モテの気持ちが分かります。これは裏を返せば人の気持ちを理解してあげられるという強みに化けます。相手の気持ちを汲んで、相手がされると嬉しいと思うことをしてあげる。これだけであなたは非モテ集団から一歩抜きん出ることができます。この小技ができそうでなかなかできないことなので、「乗り気でない人」にはそうした接し方が効きます。というより万人に効くので、小さなことからでも変えていけば周囲からの評価を高めることができます。
ところで世の中には「要領のいい人」というのが確かに存在します。そうした人はセンスと感覚で人と上手く付き合えるため、一見すると得ばかりの羨ましい人生に移ります。この差は何なんだ!と嘆きたくもなるものです。
しかしそうした要領のいい人は感覚で物事を処理するため、不測の事態や急な状況の変化に弱い側面があります。生物学でいう適者生存の法則から外れて淘汰される可能性を持つ、ということです。例えば適応進化の例として、ガラパゴス諸島のイグアナが有名です。彼らは生息地の環境に適応して進化したと考えられています。そして生息地ごとのミクロの視点で見た場合に、その地の環境が激変したらそこに生息する個体群は環境変化に適応できずに死滅してしまうでしょう。極端に言うとそういうことです。
一方、要領の悪い非モテがその弱点を逆手に相手の気持ちを理解して行動できるようになると、必然的に周りの状況を読んだり分析し、理論面を伴った行動力が鍛えられます。これはセンスだけのモテにはない強みです。高い所の餌を食べるために首が長くなったキリンになれるのです。キリンはその長い首を支えるには大きな体が必要で、そのためには食料も多く必要になります。しかし脳まで血液を送るための強靱な心臓と、逆に鬱血しないための脚の特殊な構造を進化の過程で持つに至りました。例えに長い進化の歴史を持ち出したのでイメージしにくいかもしれませんが、自然界の進化を短期間で自分の中に起こすのです。見た目の形態ではなく、思考や行動などの進化、という違いがありますが。
まあセンスの良いモテはたいがいのことはそのセンスで乗り切ってしまうので非モテにとってはそれがすごく悔しいのは間違いないです。そのことは認めます。ですが、多少のことはそういうものだと思って目を瞑りましょう。でないと前に進めません。
経験を糧にして弱点を武器に転じるのにカギとなるのは「頭の中にもう1人の自分を置く」ことです。自分で自分を客観視して、自分の言動が周囲にどのように伝わるかを考えるのです。もう1人の自分は「これをしたら相手はどう思うだろうか?」「これは自分にとってネガティブだけど、裏返して見たら何かポジティブな要素がないだろうか?」などと問いかけてきます。問いかけるように仕向けます。これまでうん10年も生きてきたので、始めは凝り固まった自我が邪魔をしますが、慣れると少し意識するだけでできるようになります。
以上の観点で振り返った場合、例えば誰かとご飯を食べるという場面1つをとっても具体的な行動は沢山出てきます。
- ご飯はきれいに行儀良く食べる(魚をきれいに食べるとウケがいいです)
- 取り分ける料理は自分が率先してよそってあげる
- 美味しいものは「美味しい!」と言って感情を共有する
- 相手が女性の場合食後のデザートは要らないか気にかける(甘いものが苦手な人を除く)
長々と書いてきましたが、ここで大事なことがあります。それは、「嘘をついてはいけません」ということです。1つ嘘をつくと、それを守るために新たな嘘をつくことになり、嘘の上塗りで後戻りの出来ない状況に陥ります。今放送中のドラマ「Nのために」を観れば、それがどんな結末を招くかが理解できます。
◆相手をゲットできたらむしろそれからが始まり
努力の結果、首尾よく相手をゲットできたとします。やった!これにて目的達成!!となるところです。ひとまず喜びに浸りましょう。しかしよく言われることですが、これはゴールではなくてスタートにすぎません。相手との関係はこれからより深い段階へと移行します。
お互いをまだよく知らない頃は、多少なりとも自分を良く見せようとするので幻想の相手を見ていることが多いです。必ず自分の嫌なところが露呈し、相手の嫌なところを垣間見る場面がやってきます。ここからが本当の関係作りの始まりです。
しかし心配することはありません。既に非モテから抜け出しつつあるあなたは、これまで心掛けてきたことを応用すればいいのです。相手の立場に立ち、相手がしてもらうと嬉しいだろうなと思うことをしてあげる。自分の言動が相手にどう伝わるかを考えてから行動する。
この基本を抑えていれば大きな破綻はないでしょう。
◆相手が変わるのを期待するより自分を変えることの方が容易
「幸運が訪れるのを待つより行動を起こした方が圧倒的に早い」の項で、あなたは幸運が訪れるのを「待っている人」である、という話をしました。同じことが対人関係にも言えます。ここまで述べてきたことは自分を変えるための方法です。私も含め、人は往々にして自分のことは棚に上げて相手が足りない部分を補い、変わることを求めます。しかしよっぽどでないと相手はそう簡単に変わりません。そこであなたはイライラし、大事な時間と労力を無駄にしてしまいます。
そんなことに気を揉むくらいなら、あなたが自らを変える努力をする方がよっぽど容易だし効率的です。このことは恋愛以外にも言える一般的な法則です。なかなかできないけどね…。でも意識しているのとしていないのでは、差が出てくるのは自明です。
◆モテを目指した方がなにかと楽しい
以上、長々と脱非モテ論を述べてきました。
モテを目指すと、自ずと思考と言動が変わっていきます。そうすると既に述べてきたように恋愛以外にも仕事、友人、就活などにも良い影響が出てきます。特に就活は恋愛に例えられることも多く、いろいろ応用が効くようになります。とっくに就活終わってるよ!という声が聞こえてきそうですが、転職活動にも同じようなことが言えるでしょう。
今回書いてきたことはごくごく当たり前のことで、「ふーん」と言って終わるようなことです。特に目新しいことはありません。しかしだからこそ見逃されがちでもあります。
以下のABC作戦を愚直に遂行することが非モテには必要なのです。
- A当たり前のことを
- Bバカになって
- Cちゃんとやる
いかがでしょうか?指摘や反論などありましたら是非お寄せ下さい。世間は「正義と理屈」で回っているのが理想ですが、残念ながら世の中は「利害と感情」の構造で成り立っています。ですので感情に訴えかける手段をあれこれ実行する方が割に合っている、というのが私の実感です。
あなたは、今の場所から見下ろす景色が世界の全てだといつの間にか思っていませんか?
The Back Horn - サニー (Live Fuji Rock Festival '07 ...
まとめると、今いる非モテの地面からモテのスカイツリーを見上げて羨ましがるのではなく、「スカイツリーの展望台から眺めを見てやろう!」ということです。
photo by Luke,Ma / Abroad - Back on Dec 01
現代は便利なもので、テレビ、雑誌、ネットなどでスカイツリーの展望台からの景色なんていつでも見ることができます。しかしそれは単なる情報にすぎません。情報として知るということと、実際に経験して自分の五感で知覚することの間には天と地ほどの差があります。ここは是非五感で味わいましょう。
◆それでもダメだったら
ここまで書いてきたことを全力で実行し、それでもダメだったらどうすればいいのでしょうか。その場合、今は実力を貯める時期だと悟ってせっせと自分を磨きましょう。あるいはひたすら楽しいことをしてエネルギーを充電しましょう。
人を相手にすることです。縁とタイミングというものも確実にあるので、諦めず前向きにいきましょう。
ただし、機会は見逃さないように心構えは怠らずに。
《方針》
以上、非モテを脱するために「世間」という離岸流を泳ぎ切り、「モテ」という岸に辿り着くために、
「非モテ」という安住の地を捨てなんでもいいので行動する。
ということを方針とする。
《予算》
各人の状況に応じて弾力的に使用する。但し、服代と食事代、交通費は最低限確保しておくこと。
最後に、ふとした疑問を記して終わります。
大学時代の先輩の言葉で、「女性は星の数ほどいるけど、その星には手が届かない」というのを聞いてなるほどと思いました。これは男目線からそう思うのですが、女性から見た男もそういう風に映るのでしょうか?個人的に是非知りたいところなので、男女問わず感想を教えていただけると嬉しいです。
「女が星の数ほどいるなんて失礼な!」という感想でもいいです。