お酒を飲む時にご飯を食べるのか問題

いつからか気になったのか記憶に無いですが、ふとした疑問があります。

それは、「お酒を飲む時にご飯（お米）を食べるのか問題」。

こんな場面に出くわすことがあります。特に祖父母など上の世代の家で食事をする際に、始め食卓にはご飯が出されません。大人は小皿のつまみかおかずを食べながらお酒を飲みます。そしてひとしきりお酒を飲んで皆の食事も終盤という頃に「ご飯をよそいますか？」と聞かれてここでようやくご飯を食べます。私の感覚ではご飯は食事の始めからあるものであり、なぜお酒とご飯を別にするのか不思議に思っていました。

皆さんはお酒を飲む時、ご飯を一緒に食べるでしょうか？私は例えばビールとご飯を一緒に食べることに特に違和感は感じません。家でも晩酌をすることがありますが、始めからご飯を食べます。特に言われたわけでもなく何となくそうしているといったところですが、前述のようにいざ人様の家にお邪魔した時に違いに遭遇することがあるわけです。しかしそういえば、居酒屋に集団で行くと無意識にご飯ものは最後の方に頼むようにしていることが多いということに気が付きました。

習慣や文化の違いといえばそれまでかもしれませんが、何だか世代による差もありそうな気がします。食事の仕方には人の思考と嗜好が反映されるものなので今まで知らなかった理由が隠されているかもしれません。美味しんぼでは嗜好を満たす思考と趣向を凝らした至高のメニューが出てきますが一度食べてみたい。ちなみに美味しんぼには超能力者と一緒にスープを食べて一同が皆宙に浮いているというクレイジーな回があります（何巻かは忘れました）。

ということで気になったので人力とネットで検索すると同じようなことを思っていた人が多いらしく、結構情報が出てきました。以下紹介します。

◆焼肉理論

いきなりですがお酒を飲む時を離れて、焼肉を食べに行った時を例に出します。焼肉を食べる時にご飯を食べるか？も人によって選択が分かれます。ご飯を食べない人は「焼肉は肉を食べに来ているんだから肉を味わうためにはご飯は余計」という理由でご飯を省くようです（※一般化しています）。私は焼肉の時もご飯を食べたくなります。むしろ焼いた肉をタレにつけて、それをご飯に一旦のせてから肉を食べるということをします。こうするとタレがご飯に染みてただのご飯がグレイトな一品に変身します。まあ食べ方は人それぞれですが、お酒とご飯を一緒に食べるのことを何とも思わない私が焼肉とご飯も一緒に食べることから、この焼肉理論には一定の納得性があるように思えます。

photo by Jirka Matousek

◆満腹になってしまう

上記の焼肉理論に共通する部分がありますが、お酒を飲む時にご飯を一緒に食べると、ご飯でお腹が満たされてしまいお酒が美味しくなくなるというものです。空腹は一番の調味料とも言いますし、ご飯はお腹が膨れるというのはおよそ万人が納得するごもっともな意見です。空腹具合による味の変化は気にしたことがないのでこういうことを気にする方は繊細なんだと思います。またはこだわりが強く妥協を許さなくて要求水準が高い。何だか性格占いみたいになってきました。

◆摂取カロリーの問題

お酒もご飯もほぼ炭水化物なので同時に摂るとカロリーが高過ぎるでしょ、という意見です。これも言われてみればの意見。健康や年齢上の理由でカロリーを控え目にしなければならない人にとっては重要な問題です。逆にこれを気にしなくていいのは幸せな境遇ということでしょう。お酒を飲むと何か食べたくなりますし、食べるとお酒を飲みたくなる料理もあります。これを野放図に続けると世のオヂサン方のビール腹の完成と相成ります。論より証拠で、そういう結果が見えているがためにいつまでも気にしなくていいという訳にはいかない点ですね。自己節制を身に付けなければいけません。

◆食前酒、食中酒、食後酒という概念

日本にはあまりないですが、お酒には食前酒、食中酒、食後酒という概念がある国もあります。少し本題とは離れますが、お酒とご飯の順番という観点からするとこれも考慮に入れるべき点になるかと思います。食前酒であれば当然ご飯とは別に嗜みます。コース料理を食べるとこの順番で食事が進むことになりますね。

photo by Storm Crypt

◆会席の進行

上記のコース料理の概念は主に海外での食事に当てはまりますが、日本の会席でもご飯は最後に出ることになっており、お酒→ご飯の順番が正式だそうです。会席はお酒を楽しむための料理なので、主役はお酒になりご飯は締めの役割を担います。どうもこの辺に日本の食卓におけるお酒→ご飯のルーツがありそうな気がしてきました。

ちなみに「懐石」はお茶を楽しむための料理なので、会席とは異なりご飯は最初に出てくるそうです。日本の食文化も面白いものです。